『わたくしからのお願いは、最初に申し上げましたわ』


「拓哉さんとの婚約……」


『パーティの日取りは、来月の第2日曜日ですの。拓哉さんが来てくだされば、わたくしは嬉しいですわ』


「それは、拓哉さん次第ですから……」


『それを何とかしなさい。吉報を待ってます』


そう言って蘭子さんは通話を切ってしまった。


涼が怪我をさせられたのは、私のせいだった。このままだと、郁美の身も危ない。


何としてでも、それは阻止しなければいけない。でも、私はどうしたらいいのだろう……