素敵すぎる上司

「僕は必ずしも決まった時間に昼飯を食べられるわけじゃないんだ。
渡辺さんと時間がずれると、何かと不便になると思う。食べながら打ち合わせをしたい事もあると思うし」


「そういう事ですか。分かりました」


と承諾してから、私は“しまった”と思った。


今日はたまたま、郁美の学校が午前の授業で終わりという事で弁当を作ってないが、普段は郁美に弁当を作り、ついでに自分の弁当も作っていた。


そうする事で、食費をかなり浮かせていたのだ。


やっぱりお断りしようかな……


「そうか、助かるよ。お詫びに昼食代は僕が持つからさ」


え? まさか私、口に出してた?

「と、とんでもありません。そんなの困ります」


まさか、『はい、そうですか』とは言えないよね?