「それはない。ゆかりちゃんは素敵とか言ってたけど、私は何とも思ってなかった。いつ好きになったのかな……」


「おまえさ、本当に俺の事好きなのか?」


「好きよ」


「じゃあ、証拠を見せろよ」


「どうやって?」


「キス。俺にキスしろ」


「えーっ、恥ずかしいよ」


「本当に好きなら出来るはずだろ?」


「分かった」


チュッ


香取さんの唇に触れるだけのキスをした。


「これでいい?」


「全然ダメ。今のは挨拶のチュッ、だろ?」


挨拶って、あんたは欧米か?


「恋人らしく、もっと濃厚なやつをしてくれ」


「恥ずかしいから、イヤ」


「ふ〜ん。おまえの好きって、その程度だったんだ……」


「もう、分かったわよ」


もう一度拓哉さんにキスをして、恐る恐る舌を差し入れ、拓哉さんの舌に絡めた。


「あんっ……」


ガバッと、拓哉さんに体をひっくり返されてしまった。


「ど、どうしたの?」


「ごめん。またしたくなった」


「え、うそ。きゃっ」


結局、私達がベットから出たのは、お昼を過ぎてからだった。