午後からは、二人とも黙々と仕事に集中した。


夕方、ようやく私が作っていた資料が完成した。プリントアウトして最終チェックをしたが、たぶんこれでいいと思う。


「出来ました」


「おお、出来たか!?」


「これです」


私はたった今プリントアウトしたばかりの、数十枚に及ぶ資料を香取さんに手渡した。

香取さんはそれを封筒に仕舞った。


「後でじっくり読ませてもらうよ。元の資料も見せてくれないか?」


「あ、はい」


私がシミュレーションに使用した資料を綴じたファイルを、香取さんに渡した。

契約書や請求書、見積書等の写しや、各種料金の単価表等だ。


香取さんから渡された資料がほとんどだが、私が独自に集めたものもある。


「じゃあ、俺の方も切りがいいから帰ろうか?」


「はい」