素敵すぎる上司

「お姉ちゃん、唇が腫れてるよ」


「えっ?」


私は慌てて手で口を押さえた。


「嘘だよ〜。やっぱり香取さんとキスしてたんだ〜?」


「し、してないもん」


「お姉ちゃん、私に隠すなんて水臭いよ。香取さんとの事、話してほしいなあ。私じゃ役に立たないけどさ」


「そんな、役に立つとか立たないとか、そういう事じゃないの。ただ、恥ずかしいだけなのよ」


私は郁美に香取さんとの事を全て話した。恥ずかしかったけど、話し終えた時は気持ちがスッキリした気がした。


きっと、私は心の中では誰かに話したかったんだと思う。