ボキッ


俺はなんとか着地したものの、左足に強い衝撃を受け、足が有り得ない方向へ向いていた。

そして襲って来る激しい痛み。
生まれて初めて経験する、骨折だった。

窓の縁に立った時、2階だから大丈夫だろうと、高を括くっていたのだが、誤算だったようだ。



「里中君、死んじゃ嫌!」

「あ、綾乃…さん。ぼ、僕は…死にません。でも…痛過ぎて、気を…失いそうです」

「里中君のバカ!」

「綾乃さん、返事…」

「返事?」

「プロ…ポーズの、返事を、早く…時間がないから、早く…」

「イエスよ!」

「ありがと………」

俺は笑顔のまま、気絶した。




(完)


※エピローグも読んでくださいね。