氷の女神

「38度3分です。夕べは40度近くありましたから、それに比べればだいぶ下がりましたが、まだまだ高いですね。
やっぱり、病院へ行きましょう?」

「いや!」

「そんなに嫌なんですか?」

「ごめんなさい。子供みたいで恥ずかしいけど、病院はとても苦手なの…」

「分かりました。今日は僕がずっと傍にいますね?」

「会社は?」

「僕も休みます」

「だめよ。里中君は休んじゃダメ」

「そんな…。綾乃さんを一人に出来ませんよ」

「私は大丈夫だから。言う事聞かないなら、出てってもらうわよ」

「うわあ、業務命令ですか?」

「そう。業務命令よ」

「了解です、主任。その代わり、携帯の番号を交換してください」

会社を休んで綾乃さんの看病が出来ない事は残念だが、綾乃さんの携帯番号をゲット出来たのはラッキーだったかも。