氷の女神

「あの、明日もここで、一緒に食べていいですか?」

「雨じゃなければ」

「やった! あ、雨の日は、どこで?」

「女子の休憩室」

「そうですか…。よし、帰ったらてるてる坊主作ろうっと」

「クス」

あ、また笑った!

「里中君って、おもしろいね?」

「そうですか? 初めて言われました。へへへ」

「里中君」

「はい」

「私といても、つまらないわよ」

「そんな事ないです」

「私ね、病気なの」

「え?」

「人が恐いの。特に男の人が」

「………」

「でも、『綾乃さん』って呼んでくれて嬉しかった」

「え?」

「役職で呼ばれるの、好きじゃないの」

「そうなんですか? でも、他の奴には内緒でいいですか?」

「え?」

「他の奴には『綾乃さん』って呼ばせたくない」

「いいわよ」

「僕は綾乃さんを恐がらせたりしない。そして綾乃さんを守る」

「里中君…」

「僕を信じてください」