「あの…ちょっと、おじゃまします」

俺はビール瓶を片手に、二人の間に強引に体を割り込ませた。

途端に北野主任からジロっと睨まれた。

恐い。でも、めげるもんか!

「初めまして、里中慎一と申します」

「あ、私は…」

「業務課の北野主任ですよね? お噂は伺ってます」

「どんな噂かしら?」

「え? それはその…とても綺麗な方だと…」

「嘘ばっかり」

「いえ、ほんとですって…。ビールでいいですか?」

「ええ。あなた、モテそうなルックスしてるけど、綾乃ちゃんに言い寄っちゃダメよ」