金曜日。

亮君と仕事の打ち合わせ中に、私の携帯が震えた。野田さんからの着信だ。

「ちょっと、ごめんなさい」

亮君から離れて電話に出ると、野田さんからのデートの誘いだった。

「今夜もデートですか?」

「うん」

「あまり嬉しそうに見えないけど?」

「そう? 嬉しいわよ」

嬉しくなんかない。本当はまた亮君から、誘ってほしい。