「すごく条件のいい人なのよ。
二枚目で、エリートで、年だって若いんだから、お見合いするのが不思議なくらいよ。

ほら、見て見て?」

お母さんが封筒から男性の写真を取り出し、私に見せようとするのを、私は手で遮った。

「興味ないから。
お父さん、断るの大変?」

「ん…葉子にいい人がいればきっぱり断れるが、いないとなるとなあ…。母さんがいう通り、条件がいい男だから、断る理由が難しいな」