テーブルを挟んで向かいに座る亮君に、職場のルールや諸々を説明していた、はずなんだけど…。強烈な睡魔に襲われ、意識が朦朧とした。

そしていつの間にか、眠ってしまったらしい。



『葉子先生』

『亮君?』

『葉子先生、さようなら』



「亮君、待って!」

ハッとして目を開けると、横に亮君がいた。

「俺の夢、見てたの?」

私は亮君にもたれて眠っていたらしい。

「ひぇ」

慌てて亮君から離れた。

「ど、どうして?」

「どうかしましたか?」

「どうして横にいるのよ?」

「だって、こうしていないとハコさんが倒れちゃうから。
急に寝ちゃうから、びっくりしましたよ」

「だとしても、ここは人目があるし…」

「俺は気にしませんよ」

「私は気にするの!」