「待ってください。あの…アタシのミスですみませんでした」

明美が亮君の腕を引き、媚びるような上目遣いで目をパチパチした。

「謝る相手が違いますよ。あなたのミスを徹夜でリカバーしたのは、こちらの北野さんですよ」

周囲は一瞬でシーンとした。

「これからは気をつけてください」

悔しそうな明美にそう言い、私達は管理部を後にした。


「亮君、ありがとう」

「こちらこそ、いい勉強になりました」

「勉強…?」