「やっぱり、ダメだな」

ダメ? 何が………?

って、ダメよ私!
亮君もダメ!

我に返った私は、男の子に抱き着こうとした自分自身に驚いていた。

「そうよ。ダメだから、止めて!」

私は亮君の胸を押し返した。

思いもよらないこの状況と自分の行動への驚き、そして恥ずかしさで顔を上げる事が出来ない。
頬が熱い。きっと顔は真っ赤だろう。

「やっぱり、濡らさないと無理ですね」

ぬ、濡らす? な、何を言うのよ、あなたは!