来た!

お父さんと、後にお盆を持ったお母さんがリビングへ来た。

何だか逃げ出したい気分。自分の家なのに。

「突然おじゃましてすみません。吉田亮平と申します」

立ち上がった亮は、改めて見ると本当に背が高い。
170cmぐらいのお父さんは、亮に見下ろされて面食らってるわ。

「お、おう。よく来てくれたね。さ、座ってくれたまえ」

「では…」

うふふ。お父さん、亮が座ってほっとしてる。

「葉子、ニタニタしてないで、吉田さんの事、話してちょうだい」

お茶を配りながら、お母さんは言った。探るような目が、恐い。

「えっと、亮は私の課に今年配属された新入社員なの」