ピンボーン♪

自分の家のベルを鳴らすのは初めてだ。

「は~い」

明るい声でドアを開けたのは、お母さんだった。

「え? 葉子?」

「ただいま…」

「お帰り…って、そちらは誠のお友達かしら?
ごめんなさいね、誠はまだ帰って来てないのよ…」

誠は3つ下の私の弟。
お母さんったら、なに顔を赤くしてるのよ!

「違うの、お母さん。この人は私の知り合いなの」

「あらやだ、そうなの?
葉子ったら、前もって言ってくれなきゃダメじゃない」

「僕が急に押しかけたんです。申し訳ありません」

「散らかってて恥ずかしいけど、どうぞ上がって?」

「おじゃまします」

ドキドキするよ…