「ちょっと、姉貴…」

「俊も私が好き〜?」

「はいはい、好きだから、放してくれよ」

「どうして?」

「酒くせえし…」

「臭いし…?」

「何でもねえよ」

「イヤ。放さないもん」

俊は無理に私を突き放そうとはしなかった。
私はそれをいいことに、俊の温もりに浸っていた。今まで何度、こうしたいと思った事か…

「参ったなあ。酔っ払いの扱い方、知らねえんだよなあ…」

「ねえ、俊…」

「ん?」

「キス、して?」

心臓が有り得ないほどドキドキする。顔が熱いから真っ赤に赤面してると思う。
でもそれらはきっと、お酒のせいだと思ってくれるだろう。

私は俊を、媚びるように見上げた。