「それは母さんの想像だろ?」

「でも、俊が役所から帰ってすぐに、私が『戸籍抄本を見せて?』って言ったら、『もう出しちゃったから』とか言って見せてくれなかったのよ」

「本当に出したかもしれないじゃないか?」

「ううん、それはないと思う。私がパスポート申請の話をしようとしたら、逃げるように部屋に行ったし、お金だって渡してなかったんだから…」

「まあ、どうせいつかは話さなきゃいけない事だからな」

「あなたは呑気よね?」

「なんだと?」