「今の、弟さん?」

「うん」

「何だか気を使わせちゃって、悪かったなあ」

「………」

「せっかくだから、お茶か飯でも行こうぜ?」

「ごめんなさい。まだ買い物終わってないので」

そう言い残し、私は俊の後を追った。

けれど、俊の姿は見つからない。私は広いショッピングモール中を探し回った。

そしてようやく、雑貨屋さんにいる俊を見付けた。

「もう、勝手に私を置いて行かないで!」

私は俊の背中をグーでぶった。

「あ、姉貴…何かあったのか?」

「別に…どうして?」

「だって、姉貴泣いてるだろ?」

「え?」

その時、涙が一筋、頬を伝ったのが自分でも分かった。