「部長とお店を出たところから記憶がとんじゃったの。起きたら知らない部屋で……………」

その後の出来事を全部恵美ちゃんに話した。任務の部分は除いてだけど。

それと、匠の話も出来なかった。
『お互いのプライベートには立ち入らない』なんて、付き合う男女の会話じゃないから。

恵美ちゃんは相槌をうったり、目を丸くしながら聞いてくれた。

「凄い週末だったね…。
そっか、裕子もついに恋に落ちたか…」

はい、真っ逆さまに。

「でも分からないわねえ」

「ブラのカップ?」

「違う!」

バシッと頭を叩かれた。

「神崎さんには彼女がいるのかしら?」

「いると言えばいるみたい」

「いないと言えばいないんでしょ?」

私もすごく気になる。

「どちらにしろ、そんな話を告った相手にしないでしょ? 普通なら」

やっぱり恵美ちゃんは鋭い。告られたなんて言うんじゃなかったなあ。どうしよう…