甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜

「みんな仮面を付けてるから誰が誰か解らないわね?」

私は元々御曹子や令嬢に知り合いは少ないから、おんなじなんだけど、征一さんは違うはず。

「そうだな? 面倒がなくて有り難いよ。ところで、機嫌は直ったかい?」

あ、忘れてた。
そんな簡単に許してあげないんだから!

「ふん!」

私は征一さんからそっぽを向き、征一さんの腕に絡めていた手を放した。

「裕子、美味そうな料理がいっぱい並んでるぞ。ほら」

見ると丸テーブルに、確かに美味しそうな色とりどりなお料理がたくさん並んでいた。

「私、そんなに食いしん坊じゃないから」

「そうか?」

“そうか?”ってどういう意味よ!
確かに普段はそうかもだけど、今日はそうでもないんだから!
胃の調子がよくなくて…