甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜

「あーっ。剣は? ゾロって、剣でヒュッヒュってやるじゃない? あれがカッコイイのよね…」

「気付いちゃったか…。残念ながらサーベルは持ち込み出来ないらしいんだ」

「なーんだあ。ゾロを選んだのは失敗だったんじゃない?」

「それを言うか…」

「そもそも、招待状には仮面を付けろとは書いてあるけど、仮装しろとは書いてないわよね?」

「う…」

「浮かないといいわね?」

「うん…」

私はしょげて俯き気味の“丸腰のゾロ”の腕を取り、可笑しくて吹き出しそうになるのを堪えながら、会場へ入って行った。