週が明けると、征一さんはますます忙しそうだった。

『会いたいなあ…』

家でぼーっとしていたら私の携帯がブルブル震えた。
見れば征一さんからの着信!

『裕子、いまは家か?』

「うん、そうだけど?」

『話があるんだ。今からそっちへ行く』

「分かった。待ってるね」


うわあ、征一さんに会えるんだあ。話って何かなあ。着替えた方がいいかなあ…

そんな事を考えていたら部屋のブザーが鳴り、ドアを細く開けたら征一さんだった。

「うわっ。ちょっと待ってね」

ドアチェーンを外して大きくドアを開けた。

「早いのね? 着替えるひまもなかったわ」

私はTシャツにスウェットのパンツという格好だった。

「問題はないんじゃないか?
色気が足りないのは残念だが」

そう言って私の体を透視するような征一さんの視線に、週末の甘い夜を思い出し、顔が熱くなった。

「もう、征一さんったら…」

「下から電話したんだ。車の中で話すか?」

「よかったら家でしない?
匠はいないから」

「おお、じゃあ、お邪魔するよ」

「狭いし散らかってて恥ずかしいんだけど…」

「気にするな」