アパートに帰ると、今夜も匠がいた。

「ただいま〜。匠は夜遊び止めたの?」

「おかえり。姉貴が心配でそれどころじゃねえよ」

「またまた…。着替えるから、話はその後でね?」

「今日は逃げんなよ」

「は〜い、覚悟してま〜す」

部屋でスウェットの上下に着替え、匠がいるダイニングへ行った。
2DKなので、そこだけが共用の部屋。

征一さんのマンションは、まだ知らない部屋が何部屋かある。えらい違いだ。

「はいよ」

匠が私にコーヒーを入れてくれた。ミルクと砂糖入り。匠は私の好みを知り尽くしている。

尽くすと言えば、私は男の人に尽くすタイプと思ったけど、征一さんといい、逆に男の人から尽くされてる気がするのは気のせい?