甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜

恵美ちゃんはカクテルをお代わりした。
私は一杯目のワインが飲み切れていない。恵美ちゃんの話を聞くのに夢中だったから。

「問題は、これからなの」

「え?」

「なぜ神崎さんは、わざわざ嘘だったと言ったのか…」

「………」

「だって、裕子を怒らせて、嫌われたかもしれないのよ。そんなリスクを負ってまで、なぜ?」

「なぜ、と聞かれましても…」

「先週の一週間で、何かが変わったんだと思う」

「先週は『忙しかった』って言ってた」

「でしょ? 水野君って言ったっけ? 彼の話をしてからよね?」

「うん。でも征一さんは『別の仕事で忙しかった』って言ってたよ」

「そこも私は引っ掛かったの。『別の』って事は、こっちも仕事って事にならない?」

「なるかも」