レス―Q

「警察の女―19」







我が愛する息子の無事を
涙ながらに確認する母親。









お礼の言葉は尽きない。









「良かったな。ボウズ」










いつも見せない
無表情の九古が唯一見せる
一時の笑顔。






英里はそれを
眺めている。










これが………

命をかける……



火に立ち向かう男の姿…









勇敢なその様は、
彼女の思っていた以上の
ものであった。










すると次に母親は、
とんでもない事を口にした。









「…息子だけでも
助けてくれて、
ありがとうございます。

でもまだ中に
カナちゃんが…」









!!









その話を
近くで聞いていた英里は、
言葉を詰まらせた。









そんな……

もう1人居た!!?










燃え盛る炎は
先程より更に増し、

何者も寄せ付けない
赤き壁となり、
来るもの全てを拒む。










親も、
さすがに諦めた様子。



九古も飛び込もうとしない。










息子で満足じゃ駄目だ…

1人でも欠けたら…!!











英里は心に何かを決め、
フラっと行動に移った。








ザン!!!









その出た行動。

いきなり英里は
水を頭から被った