レス―Q

「警察の女―15」







テクテク…







商店街を歩いてる
九古の後ろに、
英里は黙って付いて来る。









さっきから静かで、
すっかり存在を
忘れていたが、
そういや何気に
近くに居たな…









その存在を気にし始め、
九古は振り返った。









「アンタ…
いつまで付いてくるんだ。

もう署に帰れよ」









「だ・か・ら!
アンタじゃないでしょ?!

もう名前忘れたの?
鈍臭いわね。

それに何度も言うけど、
監視する為
付いてきてるのよ。

仕事じゃなきゃ、
誰も好き好んで
後付けないわよ」








えらい言われよう…



でも冷静な九古は、
何を言われても
普通に返す。








「暇だな…警察も…

とにかく
英里が心配する程
俺は何もしないから」










「…ちょ!

何いきなり
呼び捨てしてんのよ!

立場をわきまえなさい!

英里刑事って
言ったでしょ?!」









憤怒する英里の言葉を、
あさっての方向を向いて
いい加減に聞いていた。









よく感情が高ぶる子だ…







そう違う方を
向いていたら、
何か黒いものが
遠くに見える。










「ちょっと聞いてるの!」









すると九古はいきなり
猛烈な勢いで、
走り始めた!!









「あ!また逃げる気!?」









ランニング用の
スニーカーを履いている
英里は、
今日こそ逃がさないと
自分の足を過信して、
急いで追いかけた