【発揮した力-1】





昔のいろんな事を
思い出し、

九古は
アパートの部屋にて
自分の絵に触れる。








「父さん母さん…
見てて…」








あの日の
消防士になると言う
誓いから
10年以上経った今でも

決して色あせる事はなく

この職に就く夢を
追い続けたのだ。








夢は叶った。








後は
消防士に
なったからには、

早く一人前の
消防士になるように
毎日の努力が
必要となってくる。








ギュッ…







薄黒い
自分の手を握り締める。








こんな体が
人々の役に立てるなら…

少しでも火に強ければ
きっと消火の役に…








あの時は
人目にも付いて
苦しかった日々の体。







今となっては
その一つ一つの
辛かった日々が、
誇りとなって表れていた