「仲間と共に―1」







絶望の中、
思い返すのは
自分が受けた
火災の思い出。










あの頃のように
何も出来ず、

一人ぼっちで
炎に翻弄される自分が居る。










その場にドシャリと
ひざまずく九古。







そのまま壁に背中を
貼り付けた。








「ハア……ハア…………」










この火をジッと見ていると、
幼い自分が
蜃気楼となり、
うっすらとボヤけて見える。











あの………


ただ泣くしか出来なかった
自分が……










「もう………

何もできないや………」









命を覚悟し
諦めた瞬間、

工場は音を立てて
崩れていった…