「それはこっちの台詞だよ」

「え?」

「あんたが珍しく休むから、みんな心配したんだよ。特に野田さんが。『夕べ飲ませ過ぎたかな』って…。携帯にも出ないし」

そう言えば私の携帯、マナーモードのままだった…

「そっか、ごめん。それでわざわざ来てくれたんだ?」

「そういう事。でも、元気そうで良かったわ」

「ありがとう。散らかってるけど、入って?」

「うん、じゃあお邪魔… あっ!」

「え?」

恵美の視線をたどって下を見たら、そこには翔のスニーカーが…!

「ふ〜ん、そういう事か…」

「え?」

恵美は私を上から下まで眺めてニヤニヤしている。

髪は寝乱れてボサボサ。寝起きできっと酷い顔をしてるだろう。
そしてTシャツに短パンという姿。これって…

「まさか有紀子が…って感じだけど、お取り込み中だったみたいね?
やっぱり帰るわ。野田さんには黙っててあげるね」