「え? どういう事?」

恵美の言う意味がさっぱりわからない。

『昨日は何の日か知ってるわよね?』

「昨日? 思い当たるのは、翔の誕生日だけだけど?」

『正解よ。私はその日をずっと待ってたの』

「どうして?」

『翔君にプレゼントを渡すためよ』

「プレゼント?」

まったくもう……
私は急いでるのに、恵美は何を悠長な話をしてるのよ!

『そう。プレゼントはね…』

と、その時、初心者マークを付けた白い車が、スーッと駐車場に入って来た。

『有紀子の居場所よ』

「え? 私の居場所って……あ、あれ?」

その白い車から出て来た若い男の人は………翔だった。
見間違いかと思って目をパチパチさせたけど、間違いなく、翔だ。


『有紀子、聞いてるの?』

「来た」

『来た? え? なに?』

「翔が……来た」

『きゃあ〜。翔君、もう行ったんだ!?』

恵美は、耳が痛くなるほどの叫び声をあげた。

『有紀子、意地張らないで素直になりなよ?』

「うん」

『幸せになってよ?』

「うん。ありがとう、恵美」