「……今までごめんな。
相談にものってやれなかったし、いつも一人にさせて……寂しかっただろ?」

「別に」

何よ、今更……。

唇を軽く噛み、手を握り締める。



「……俺は決して許してくれとは言わないから。
ただ……一つだけ友梨恵に頼みがあるんだ。

俺ら家族のマイホームを最終的に友梨恵が選んで欲しいんだ」

「え……??」


わたしが、選ぶ…――――??


「冗談言わないでよ!
何なのよ、わたしのご機嫌取りのつもり!?
恥かかせないで!! わたしにもプライドがあるわ!!
パパなんて大っ嫌「違うんだ、友梨恵!!」……!」


びくっ

何……?
いつものほほんとしてるパパなのに……怒鳴るとこ、初めて見た…………。



「俺は! 友梨恵に素直になって欲しいんだ。
思いやりがある、優しい子に。
友梨恵を傷つけてるんじゃない、俺は友梨恵の未来を考えてるんだよ!!

やりたいことをやらせてやれなかった、親としての責任も感じてるんだ。友梨恵はそんなのいい訳だと思うかもしれないけど。

自由に羽を伸ばして欲しいんだよ、友梨恵」



嘘……パパがそんな風に考えてくれていたなんて…………。



「パパ…………ごめんなさい……」

「……いいんだ。
さっきも言ったようにパパが悪いんだから許してくれとは言わないよ」



パパがそんな風に考えてくれてたなんて、わたし、知らなかったのよ。



ごめんね、パパ。

嫌いだなんて嘘よ。



今までわたしのこと嫌いなんでしょって言ってみたり、パパが話しかけても無視したりしてごめんね。


わたし、パパの優しさに甘えてるだけの子供だったわね……。

パパは忙しいのにわたしの相談にものろうと必死だったの、知ってたわよ?



知らないフリしていたずらして、ゴメンね??




優しいパパ、大好きよ……―――――――