でも、裕芽が忘れらへんくって、何度か隆二さんの家の前まで行った事があった
隆二さん家の玄関先で、俺は立ち止まり
“俺と裕芽は住む世界が違う
だから、一緒にいたらアカンのや”
と自分に言いつけて、チャイムを押すわけでもなく、来た道を引き返す
こんなことがしばらく続き、そんな自分がやになった
んで、俺はこう思いついてん
“違う女を抱けば裕芽への気持ちは無くなる”
…アホやったわ、当時の俺は
情けないくらいな
だから、大地の件で裕芽を巻き込んでしまってん
ホンマに…情けない…
それから、俺はいろんな女を抱き、裕芽への恋心を心の奥底にし舞い込んでん…