闇は、ゆっくりやってくると同時に、雨までも連れて来た。僕たちは急いで屋根のある場所を探した。幸い、遊園地に屋根のある場所なんて山ほどある。以前は、ここの従業員が使っていたであろうコンテナハウスに僕たちは入った。鍵すらかかってないのに、中に入るとソファやらテレビやら、まだ全然使えそうなものばかりがあった。もちろん、水道も電気も停められているけれど。
「とりあえず、朝が来るまではここにいた方がよさそうね」
「そうだね。真鈴、大丈夫?」
こんな場所、若い女の子が好むようなところではないだろう。
「何が? 全然大丈夫よ」
真鈴はそう言って笑った。そしてソファに座り、自分の膝をポンポンと軽く叩いた。