【愛花サイド】


「家はどう?」


「普通」


「そっか」


保健室に来る度、先生は私に家のことを聞く。


「先生、重くない?」


「何が?」


「他人に悩み、打ち明けられて」


「そうだな。私、人を殺したのって言われたら重いかもな」


「そうかもね」


確かにそれは重いな。


「石川」


「ん?」


「進路、考えろよ」


「先生が決めていいよ」