【愛花サイド】
「職員玄関の前。5分で集合!」
先生はそう言って、帰り支度を始めた。
「病人、急がせないでよ」
そうつぶやいてから、保健室を出る。
自分でもわかった。
迎えに来てもらえって言われたとき、先生から目をそらして暗い顔をしたってこと。
でも、先生は何も言わなかった。
聞かなかった。
自分がつらいことは、人には話さない。
話せない。
……自分のつらさが、他人にわかるはずがないから。
だから、つらいのは自分で乗り越えるしかない。
ひとりで、少しずつ。
苦しくても、これは今だけって自分に言い聞かせて。
「職員玄関の前。5分で集合!」
先生はそう言って、帰り支度を始めた。
「病人、急がせないでよ」
そうつぶやいてから、保健室を出る。
自分でもわかった。
迎えに来てもらえって言われたとき、先生から目をそらして暗い顔をしたってこと。
でも、先生は何も言わなかった。
聞かなかった。
自分がつらいことは、人には話さない。
話せない。
……自分のつらさが、他人にわかるはずがないから。
だから、つらいのは自分で乗り越えるしかない。
ひとりで、少しずつ。
苦しくても、これは今だけって自分に言い聞かせて。