心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「ウソウソ、休んだことあるから」


そう言って、石川は立ち上がった。


「お前もう、帰れ」


「先生、ベッド借りるよ?」


俺の言葉なんか聞かなかったみたいに、石川はベッドにもぐり込んだ。


「石川~、帰って寝た方がいいぞ?」


「…………」


また無視か?


そう思ったとき、「先生」と、布団の中から小さな声が聞こえた。


「放課後には帰るから。ちょっとだけ、ここにいさせて」


その声は、いつもの俺をからかう石川の声じゃなかった。


もっと、弱々しい声だった。


「石川、何かあったのか?」


俺はそう問いかけていた。


「何かあったなら、俺が聞くよ?」