心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

でも、やっぱり、つながらない。


家に着いたけれど、もちろんお父さんは帰っていなかった。


「お父さん、どうしたの?」


不安がどんどんわき上がってくる。


多分、さっき事故のあとを見たせいだ、と自分に言い聞かせる。


夜の11時を過ぎた頃、家の電話が鳴った。


ビクっと、体がふるえた。


「はい、石川です」


「こちら、南病院ですけど。石川正樹さんのお宅でしょうか?」


「はい。父親ですけど」


イヤな予感がした。


「父が、どうかしたんですか?」


「事故にあって、こちらに運ばれました。最善を尽くしたのですが、運ばれたときにはもう、息を引き取られていました……。とにかく、すぐに南病院まで来ていただけまか?」


「えっ?」


スーッと血の気が引いていく。