佐野先生が、ひと呼吸おいて言った。


「あのさ、何か悩みがあるなら俺が聞くよ?」


ドキンッ。


心臓が、ザワザワ動き出した。


「どうして……そう思うの?」


なるべく、平静を装ってそう聞いた。


「毎日お前見てるんだぞ。何となく、わかるんだよ」


「わー、ストーカー?」


「変なこと言うな。どっちかって言ったら、お前の方がストーカーだろ。毎日ここに来るんだからな」


「生徒にそんなこと言うんだ。先生ひどーい」