【愛花サイド】


日曜日。朝10時に、先生が私の家に迎えに来た。


玄関でパンプスを履いてると、お父さんが話しかけてきた。


「愛花、どっか行くのか?」


「うん」


「もしかして、デートか?」


「うーん。どうだろ?」


玄関を開けると、先生が車を降りて待っていた。


私のうしろにお父さんの姿を見つけて、ぺこっとお辞儀をする。


「じゃあ、行ってくるね」


「遅くなるんじゃないぞ」


「わかってる」


ちょっと不機嫌なお父さん。


まあ、娘が男の人と一緒にいるところなんて見たくないよね。


「お父さん、何か言ってた?」