「あ、あのね」

「アイツに何されたんだよ!!」

「何って……」

 そんな事言えないよ

「結城には関係ない事でしょう」

「関係あるさ」

 突然抱き締められ身動きが取れなくなった。

「離してよ」

 あたしの声が届いているのか、いないのか、より腕を強くしてきた。

「お前の事、ずっと好きだったんだからな」

 ──へっ!?
 一瞬、自分の耳を疑った。

 意味分かんないよ。

 クラスで会ったって、目だって合ったことないし、会えば邪魔者扱いばかりしてきたじゃない。

 なのに、何で今言うの?

「他の誰かにお前を、柚希を取られても仕方ねぇと思う。
 けど──」

「けど?」