左手にぶら下がっていた手提げ袋を確りと持ち直し ポケットに魔法を忍ばせて、あたしは元気に土を踏みしめた。 あたしも、少し素直な心を開こう。 陽は沈みかけ、辺りの空はスミレ色に変わっている。 けれども、 心は弾む桃色だった。