あたしも、彼らと一緒にステージに上がりたいな……。
ふっ、と踊りながら頭に過った小さな願望。
そんなこと、叶えられるわけもない。
だって、彼らにとっては、最前列だろうが、一番後ろの立ち位置だろうが、同じファンの一人に過ぎないもの。
それに、今ステージの上で光を浴びているメンバー誰一人として、知り合いなんかでもないし。
こんなに近くにいるのに。
あたしにとっては、雲の上の遠い人達って事を、改めて思い知らされた。
ずっと楽しみにしていて、来年大学受験をするためのパワーを付ける為に、此処へ来たのに
急に虚無感に襲われて、音もリズムも感じられなくなった。
振り上げていた手が
パタン、と下がり、隣の人も不審そうに
チラッ、と横目で見てきた。
あたし、踊りに、来たんだよね?
自分に問いかけ、皆と同じリズムを取り戻そうと思って腕を上げようとした。
だけど、身体が動かない。
ううん、動かせない。



