あれから、陽は本当にあたしを守ってくれた。

 どんな手段を取っても連れて帰りそうな奴らの目を、悉く盗んで。
 というより、アイツらの行動を読みきっているようにも見える。

 それが、返ってあたしを不安な気持ちにしていた。

「ねえ、あたしなんか居なくなったっていい、
 そう思ってるでしよ?」

「何バカな事言ってんだよ」

 だって……
 あたしは、彼女でもないのに、陽を縛りつけている。

 友達なら、もっと野放しにしてもいいのに。

 あたしが居なければ、陽には自由な時間を作れるのは知っている。

「リンコって、林檎みたいだな」

 ほら、またそうやってあたしをからかって。
 どうせ

「名前が似てるっていうんでしょ」

「そうじゃないさ。
 普段は元気いっぱいで笑ってると可愛くて美味そうなのに、
 怒ったり拗ねたりすると木から落っこちた実のようでなんだか放っておけないからさ」

 放っておけない?
 只の通りすがりから妹くらいにはなれたのかな?

 そうだとしたら、嬉しいかも。

 容姿は、陽の方が林檎なのに。

 そうだ。
 今日、この日を記念日に林檎記念日としよう♪