……ぅわあ。

目の前には、民家と同じくらいの高さのある大きなクリスマスツリー。

まだ、電気は灯されていない。

──あれ?

飾り付けもバッチリされて、どう見てもクリスマスツリー以外には見えない。

でも、何か違和感がある。


「今年は当たるといいな」

「何が?」

「何でもねぇ」

変なの。

広場には、
ソワソワ、と心を踊らせた顔の人たちでいっぱい。

素敵な事が起こりそうな予感に、あたしの胸も高鳴ってきた。


「ま、お楽しみは一番最後まで取っておくものだからな。
行くぞ」

「えっ、ちょっ……」

あぁ、あ。
もう少しツリー見たかったのにな。

何か考えているなら、言ってくれたらいいのに、相変わらすムッツリと黙ったまま。

朝から振り回されっぱなし。

訳わかんないよ。