【短編集】フルーツ★バスケット


 ──カチャ

奥の方で、静かにドアが開いたような気がした。

泥棒、じゃないよね?

近くに転がっていたクッションを抱え、身を縮めソファーと一体化になるように息を殺した。


「何やってんだよ!?」

「……どうして?」

「ぁあ?
 自分家に帰って来て悪いか」

……そうでした。

静かにドアが開くのも当たり前。

さっき出て行った、この家の主

神楽 樹だったのだから。

出かける、なんて置き手紙までして行ったから、てっきり帰りが遅くなるものだと思っていたから。


「これ、やる」

へっ!?

白い大きな紙袋をドカッ、とソファーの空いてるところに置いてきた。

「煙草吸ってくるから。
 着替えたら出かけるからな
 ……約束だから、な」

もしかして、これ洋服?

だけど、約束って……何?