「おい、お前!
 いい加減に目を覚ましやがれ!!」

──何?

突然降ってきた怒鳴り声に、頭がガンガン、とする。

そんなに、大声出さないでよ。

ボンヤリ目を明けると上半身裸の知らない人があたしを見下ろしている。


「生きてたか。
 ビックリさせやがって」


生きてる?
はは。

──可笑しな夢。

あたしは、遭難でもしているのかな。

一人暮らしのあたしのところに、男の人なんて転がりこむ事もない。

夢にしては、リアルだな……。


「まだ、寝惚けてんのかよ!!」

再び飛んできた声に、今度はしっりと目を開いた。

茶髪でツンツンと髪を逆立て
瞳は切れ長で綺麗な顔立ちの

知らない人が怒ったように覗き込んできた。

──誰?
──此処は?