クリスマスなんて、
大っ嫌い!!

右も左も密着したカップルだらけ。

あたしは、いつも決まって香苗と二人クリスマス。


「あぁ、アタヒもカレヒがホヒいよぉ!!!」

「ちょっと、道の真ん中で叫ばないでよ!」

「フルヒャイナァ」

「來留実、アンタの家直ぐそこだから。
 直ぐに寝るんだよ」

「アイガトウ~
 オヤフミィ」

今日はいつも以上に呑みまくったせいか、思うように歩けなかったから、香苗に送ってもらった。

家に帰ったって誰もいない。

余計に寂しくなるから、本当は帰りたくない。

ふと、空を見上げると

チラチラ、と白い粒が降りてきた。

雪?

あたしは、嬉しくなって手のひらを空に翳した。

火照った身体に、この冷たい空気に触れられるのは、凄く気持ちが良かった。

もう少し、此処に、い…よう……。

そのまま、白い粉に吸い込まれるように瞼が下がっていった。