最近気になる喫茶店員の彼女には、どうやら秘密があるらしい。

優しくて気が利いて、クールで、そのくせ妙に世間知らず。
加原は、そんな彼女――名波に惹かれていた。



その頃館町では、二十三歳の人間が次々と不審死を遂げるという事件が起きていた。
共通点は、『深夜一時の死亡推定時刻、二十三歳』、そして『高校の同級生』。

その謎を追う加原は、被害者たちが通っていた高校で、五年前に男子生徒刺殺事件が起きていたことを聞く。

不審死したのは全員、事件の関係者だったのだ。

犯人の名前は――平河名波。



彼女は本当に人を殺したのか?

なぜ今、あの事件の証人が次々と死んでいるのか?


まさかこれは、自分を刑務所へと追いやった者たちに対する

名波の復讐なのか――?