「ねぇねぇ、こっち渡ったほうが近道なんだよ?」 「そうなんか?」 「うんっ!いこっ」 あたしは「じゃ、競争!」と言って葉月の手を離した。 早く!と笑いながら車道に飛び出した。 パァァァーーーーッ 「亜美ィッ!!!!」 ドンッッ 「いたぁ…。」 手がなんか濡れている。 「ひっ…!!」 手は真っ赤だった。 でもあたしはさっきすりむいた膝しかけがしてない。 横を見る。